「仮性包茎を手術したいけど、分からないことだらけ」
手術すべきか、どこに行けばいいのか、手術法、費用、リスクなど不安に思うことは多いですよね。
仮性包茎は不潔というイメージが定着しており、ある調査によると8割を超える女性がパートナーに包茎治療を望んでいました。
また仮性包茎はイメージが悪いだけでなく早漏の原因にもなりますし、セックスの際に痛みを伴うことも有ります。さらに仮性包茎だと不潔になりやすく細菌に感染したり、がんを発症するリスクが高くなってしまいます。
この様な理由から仮性包茎では治療がお薦めですが、専門家の立場から適切と言えるものは手術しかありません。他にサプリであったり、自力、強制器具を検討する方もいらっしゃいますが効果がないばかりか、リスクも高いので絶対に避けて下さい。
実際、国内では年間、約10万人と多くの方が包茎手術を受けており、その年齢層も10〜80代と幅広く行われています。しかし仮性包茎は保険が効かない為に情報も少なく、なかには不誠実な手術、処置を高額で行なっているクリニックも有ります。
今回は、5000件を超える男性器の手術を行ってきた泌尿器科専門医である筆者が仮性・カントン様包茎の手術に関してみなさんが疑問や不安に思うことを丁寧に解説します。
本記事を読んで、ぜひ一歩前に踏み出して下さい!
仮性包茎の一種である包皮輪狭窄型包茎の手術に関して下記の別記事でまとめていますので参考にして下さい。
目次
1. 仮性包茎を早めに手術しておいた方が良い9つの理由
成人男性の場合、仮性包茎は『早め』に『手術すること』をお勧めします。『早め』がオススメの理由としては15歳を過ぎても仮性包茎であれば自然に改善することはまず無いからです。では仮性包茎を『手術した方が良い』理由にはどんなものがあるのか見ていきましょう。
理由①:手術で不潔というイメージが改善でき、実際に清潔が保てる
仮性包茎では包皮と亀頭との間に恥垢と呼ばれるアカや雑菌が溜まりやすくかなり不潔です。手術する事で亀頭周囲が洗いやすくなるだけでなく、恥垢や雑菌も溜まりにくくなり清潔が保てる様になります。
理由②:手術で亀頭が大きくなる
仮性包茎では通常時(非勃起時)に亀頭が包皮で覆われていますので亀頭の大きさが制限されています。包茎手術をする事で少し亀頭も大きくなります。
理由③:仮性包茎だと見た目のイメージも悪く、ペニスが小さく見える
仮性包茎は、異性だけでなく同性からの見た目のイメージが悪く手術を受ける方が多くいらっしゃいます。また包皮で亀頭が覆われていますので亀頭全体が露出している包茎ではない方に比べペニス全体が小さく見えるのも手術で改善できます。
理由④:手術で早漏もしくは性行為時の痛みを改善できる
仮性包茎では、まだまだ亀頭が敏感で『早漏』もしくは『亀頭が敏感である事の痛み』が存在する方がいらっしゃいます。こういった方は包茎の手術で改善できます。
理由⑤:仮性包茎だと性行為時にコンドームが外れやすい!
仮性包茎であれば余っている包皮によってコンドームが押し上げられる為セックスの際にコンドームが外れやすくなってしまいます。
理由⑥:手術で亀頭のぶつぶつの改善できる
亀頭のにできるぶつぶつの多くは真珠様陰茎小丘疹と言って包茎が原因です。実際に包茎手術を行う事で改善します。
理由⑦:手術でHIVに感染しにくくなる
包皮には、ほかの皮膚に比べ数倍のHIV感染(エイズの原因ウイルス)に深く関わる細胞が存在しますので包茎ではリスクが高まるのです。包茎手術をする事でHIV感染のリスクを6割ほど抑えられることがわかっています。
理由⑧:手術でニオイが改善できる
仮性包茎では包皮と亀頭の間にアカや雑菌が溜まりやすく、亀頭も常に湿っている為に特有の匂いを発生します。
理由⑨:仮性包茎だとがんを発症するリスクが高くなる
仮性包茎では包茎ではない方に比べ陰茎がんのリスクが上昇し、またパートナーが子宮頸がんになってしまうリスクも高くなります。
これらの『包茎を放置した時のリスクと手術のメリット』に関しては下記記事で詳しく説明していますので参考にされて下さい。
いかがでしょうか。15歳を過ぎても仮性包茎の場合、基本的には包茎の手術が必要です。ここまでご覧頂き、仮性包茎の手術が必要かもしれない!と思われた方の為に『手術で満足した結果を得るために知っておいて頂きたいこと』がいくつかあります。順にご説明いたしますが、まずは手術方法の選択がとても重要だということから解説します。
2. 仮性包茎手術の方法
手術方法はクリニック毎に異なり、下記の様に多くの手術法がありますが成人男性の包茎手術として医学書に掲載されているのは環状切開法だけです。つまりこの環状切開法だけが医学的に正しい手術方法と言えます。
本章ではこの医学的に正しい2つの方法(環状切開法と、この方法を応用した亀頭下環状切開法)についてご紹介し、それぞれのリスクも解説します。
2-1 環状切開法
環状切開法は下のイラストの様にその方のペニスの形状に合わせて仮性包茎の原因となる『包皮(ペニスの皮)の狭い部分』を切る方法を言います。国内のどこの病院の泌尿器科でも行われているもっともスタンダードな方法です。
2-1-1 環状切開法の優れている点
環状切開法はどこがいいのか、結論から言うと他の術式に比べリスクが圧倒的に低いと言う事です。手術をする上で安全性は最も重要な項目の1つです。下の表はそれぞれの術式毎のリスクを示したものです。環状切開法(表の黄色部分)は他の術式に比べリスク発生率が高い3つ星の項目が1つしか有りません。
【環状切開法の唯一のリスク】
その環状切開法の唯一リスクと言えるのが『傷が目立つ、ツートンカラーになりやすい』という事です。
この場合のツートンカラーとは下のイラストの様に環状切開術で狭いところを切り取ることで、いつもペニスの皮の中に隠れている肌色の部分と外に出ていて茶色に色素沈着している部分を縫い合わせることで茶色と肌色の濃淡がはっきりしてしまう事を言います。環状切開法は機能面を重視した医学的に正しい方法ですが、見た目のことはあまり気にしていない方法なのです。
しかし手術の後ツートンカラーであることは解剖学的に見ると性感に必要な部位(リッジバンド)が残っている証拠です。多くの包茎クリニック、美容クリニックはこの部分を切除する為性感が落ちてしまうのです。
また、環状切開法で出来たツートンカラーは時間が経てば改善しますのでご安心ください。
※参考文献 Winkelmann RK: proceedings of the staff meetings of the Mayo clinic, 34:39-47, 1959
Taylor JR: Br J Urol, 77:291-295, 1996
しかし、『環状切開法は良い方法』だと理解できてもツートンカラーをなるべく避けたい、という方は次章の『亀頭直下切開法』をお薦めします
2-2 ツートンカラーを含めたリスクの最も低い亀頭下環状切開法をオススメします
包茎の手術法で最もオススメは『亀頭下環状切開法』です。この手術法は環状切開を改良した方法で、『ツートンカラーや手術後の腫れを最小限で抑え、早期に自然な仕上がりを実現できる方法』です
まず、なるべくツートンカラーにならない様に切除範囲をデザインします。次に、ペニスの皮には皮下組織という腫れの原因となる組織が殆どない場所がありますので、その場所の近くで手術をする為、腫れも最小限で済みますし、性感を落とさずに済むのです。
当ブログを運営するカズ博多クリニックではこの『亀頭下環状切開法』を採用しています。通常、泌尿器科医は機能面は重視しますが、美容面は考えません。この方法は泌尿器科医が行う『環状切開法』に、形成外科医として美容面も重視した当院オリジナルの方法です。
なお他の手術方法に関しては下記記事に詳しくまとめておりますので参考にされて下さい。
3. 仮性包茎手術にかかる費用
費用を気にして手術を躊躇される方も多くいらっしゃいます。本章では仮性包茎の手術にかかる費用についてご紹介させて頂きます。
3-1 仮性包茎手術の適正な費用は30万円程度
仮性・カントン様包茎に対する手術は保険適応がありませんので一般の病院で手術することは不可能です。プライベートクリニックで行う仮性・カントン様包茎手術の適正な費用は30万円程度との見解です。
3-2 ただしクリニックによって値段に幅があり注意が必要
しかし下のグラフの様に実際に患者さんが支払った費用を調査すると50〜100万円という方が最も多く、次に多いのが100〜150万円です。
国民生活センター 美容医療サービスにみる包茎手術の問題点より引用
では、なぜその様な事態が起こっているのでしょうか。下記の表をご覧ください。
仮性包茎の手術費用は『手術するクリニック』によって大きく変わってきます。
美容クリニック、包茎専門クリニックの中には広告では包茎手術費用、3万円などと記載して、実際にクリニックに行くと綺麗に仕上げる為と追加手術費用、ヒアルロン酸注入費用を上乗せし高額請求に繋げるクリニックもありますので注意しましょう。
また町の泌尿器科クリニックでは知識的にも技術的にも高い泌尿器科専門医による手術が受けられますので合併症などのリスクも低いです。しかし他の患者さん、女性看護師も多い為、実際に町の泌尿器科クリニックで手術を受ける方は非常に少ないのが現状です。
また町の泌尿器科クリニックでは、通常見た目、いわゆる美容面にはこだわりませんので、そこがネックでもあります。
包茎手術の費用について、費用を抑える方法まで下記記事に詳しく記載しています。是非参考にして下さい。
4. クリニック選びは非常に重要
4-1 もちろん値段で決めてしまうのは非常に危険です
ここまで読んでいただければお分かりかと思いますが、包茎手術は費用が安いという理由でクリニックを選ぶのはとても危険です。理由としてはそういったクリニックでは受診した際に高額請求される可能性がある、というのもありますが、包茎手術で一番大切なのは『仕上がり』だからです。
実際、ホームページで5万円と書いてあったからと包茎クリニックに行き、高額請求された上に、手術の仕上がりが悪い、という方の修正術を幾度となく行ってまいりました。
包茎手術で最良の結果を得る為には
・どの様な医師が手術してくれるのか
・手術方法
の2つがとても大切です。もちろん費用も大切ですがこの2つのポイントを含め主治医の先生と十分相談した上で後悔のない治療を受けて下さい。
4-2 手術するクリニックを選ぶ時に絶対にチェックしておきたい4つの特徴
① 医師が泌尿器科医(可能であれば学会認定の専門医)であること
公的保険の適応となるのは真性、カントン包茎だけですが、包茎手術はどこの公的病院でも泌尿器科医が施行しています。泌尿器科医はペニスを含めた男性器の手術に慣れていますので泌尿器科の医師、可能であれば泌尿器科専門医による手術がオススメです。泌尿器科専門医は手術件数、学会発表、論文発表などの条件を満たした上で試験に合格しなければ与えられない資格であり、一定のレベルが保証される証だからです。
美容クリニック、包茎専門クリニックは男性器に不慣れな科出身の先生も少なくありません。受診するクリニック、医師は慎重に選びましょう!
② 手術方法が傷跡の目立ちにくい環状切開法である事
包茎手術は正しい手術法選択が重要です。環状切開、亀頭下環状切開法を選びましょう。(注:通常の環状切開の場合は上記の様にどうしてもツートンカラーになりやすいです。傷跡が少しでも目立ちにくい工夫がなされているか担当の先生に相談しましょう)
③ ペニスへのヒアルロン酸注入が診療項目に有るか否か
ヒアルロン酸をはじめ異物をペニスに注入することはとてもリスクが高いです。ひどい場合にはペニスが腐ることもあるので、ペニスへのヒアルロン酸注射が診療項目に存在する場合、そのクリニックはお勧めできません。
④ 手術に関してカウンセラーではなく、医師と相談できるクリニックである事
男性器治療のクリニックでは受診すると医師ではなくカウンセラーと呼ばれる男性が手術方法など説明して医師は2-3分程度の診察、というケースが多いです。しかし、ほとんどのカウンセラーは医療の資格などを持たない一般事務員です。包茎手術は大きな手術ではありませんが、手術出る以上、リスクはゼロではありません。ぜひ医師、できれば学会認定の専門医に相談できるクリニックを選びましょう!
なお国民生活センターへの相談事例でもこの点に関してはたびたび問題になっています。
5. 仮性包茎の手術に関してよくあるご質問
以下は包茎手術をご検討の方からよく頂くご質問です。是非参考にされて下さい。
自分が仮性包茎か分かりません。
今回は仮性包茎について取り上げましたが、成人(15歳を過ぎて)男性の包茎はどの様な包茎かに関わらず手術がお勧めです。また包茎の分類は医師でも誤解してる事も多く、インターネット上にも誤った表記が多く見られます。
ご自身で判断する事は難しいかと思いますのでぜひお気軽にご相談頂ければと思います。
手術中の痛みが不安です。
麻酔の効果で手術中痛みを感じる事はありません
麻酔がしっかりと効いていますので手術中痛みを感じる事はありません。また麻酔が怖いという方の為に、当院では静脈麻酔で完全に寝て頂いた後に麻酔の注射を打ちますので気付いた時には麻酔が効いている、手術が終わっているといったことが可能です。
手術の後の痛みはどうですか?
どうしても痛みが2〜3日間は続きます。痛み止めをお渡ししますので通常時はさほど痛みはありませんが、特に勃起時(朝立ちなど)に引っ張られて痛みを感じます。次第に軽くなっていきますので心配要りません。日常生活は十分可能です。
すごく恥ずかしいです。
当院は全スタッフ男性のプライベートクリニックですのでご安心下さい
包茎治療を含めた男性器治療はとてもデリケートな問題です。ですので、比較的安価でも入院の必要性、他の患者さん、女性看護師も多い為、実際に病院の泌尿器科、一般の泌尿器科クリニックで手術を受ける方は非常に少ないのが現状です。
私は泌尿器科医として数万人の男性器を診察してきました。必ず患者様に合った適切な提案ができると思いますし、当院では通常の泌尿器科とは違い、スタッフも全て男性ですのでお気軽にご相談下さい。また完全プライベートクリニックですので、患者様は院内に原則お一人です。他のお客様と会うことはございませんのでご安心下さい。
費用は手術中状況を見て増額することはありますか?
当院では有り得ません
美容クリニック、包茎クリニックの中には手術中に『〇〇だからこの処置が必要になります。◯万円プラスになるけどいいよね?』と聞かれ手術代金が増額しているクリニックが存在します。もちろん当院ではその様な事は行っていませんが、手術中にそんなことを聞かれたら拒否できる人はいません。
同じ医師として許せません。
他のクリニックで手術してすごく変な形になってしまいました。治せるでしょうか?
診察してみないと100%とは言えませんが、ご相談下さい
私は美容クリニック、包茎クリニックで包茎を含めた男性器の手術を行い、悲惨な結果となった患者さんの数多く診てきました。デリケートな問題だけに、なかなか相談できずに、受診まで数年かかった患者さんも少なくありません。是非ご相談下さい。
手術の後いつから仕事できますか?
当日から可能です
上記の通り手術後の痛みは軽度です。仕事の合間に手術される方も多くいらっしゃいます。
手術の後、制限は有りますか?
術後の日常生活には大きな影響は有りません。
上記の通り仕事の合間に手術し、何事も無かったかのように仕事に戻られる方も多くいらっしゃいます。しかし飲酒(3日間禁止)、シャワー(2日間禁止)、入浴(6日間禁止)、マスターベーション(2週間禁止)、セックス(2週間禁止)は術後しばらく控えて頂きます。
6. まずは泌尿器科専門医へ相談しましょう
4章で紹介した4つのポイントを満たすクリニックは非常に限られます。通常の泌尿器科は美容面を重視しませんし、男性器専門ではない為、他の患者さんの中でプライバシーが守られておらず受診をためらわれる方も多くいらっしゃいます。国内では包茎手術をビジネスと捉えた美容・包茎クリニックが多く存在します。彼らは不誠実な手術内容、高額請求を行うだけでなく、非常にリスクの高いヒアルロン酸注入も行なっており被害者も多く存在します。
福岡にあるカズ博多クリニック(以下当院)はこの様なクリニックのアンチテーゼとなるべく開院した国内唯一の泌尿器科専門医による男性器クリニックです。泌尿器科医、形成外科医として手術歴10年以上、男性器の施術は5000例以上の経験を持つ院長が包茎手術を担当しています。本記事でも記載した通り当院ではリスクが少ない亀頭下環状切開法で手術を行なっています。
当院は通常の泌尿器科とは違い、スタッフも全て男性ですのでお気軽にご相談下さい。
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