包茎手術のことを調べているとクリニックによって色んな方法が有りますよね。
『色々有りすぎてわからない』
『どの方法が1番いいんだろう』
そんな風に悩んでいませんか?
包茎の手術方法はクリニック毎に異なり、下記の様に代表的なものに8種類の手術法が有りますが、その中で日本泌尿器科学会認定の専門医の筆者がお勧めする手術方法は『環状切開法』と『亀頭下環状切開法』の2つです。
ではなぜこの2つがお勧めで他の方法はどうなのでしょうか。
本記事では『包茎手術の種類』について徹底解説します。
『自分の場合、包茎手術でどの手術方法を選択するのが良いのか』がご理解頂ければ次のアクションも起こしやすくなりますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
目次
1. 代表的な包茎の手術法は8種類あり、そのうちお薦めは2種類のみ
包茎の手術方法はクリニック毎に異なり、下記の様に代表的なものに8種類の手術法が有ります。その中で日本泌尿器科学会の専門医として筆者がお勧めする手術方法は『環状切開法』と『亀頭下環状切開法』の2つで、中でも『亀頭下環状切開法』は最も優れた方法です。
その理由は『リスクが最も低い安全な方法』であり『美容面にも配慮され仕上がりが自然』が実現できる方法だからです。
では手術方法によってどの様なリスクがあり、自然な仕上がりとはどの様なものなのでしょうか。本章では亀頭下環状切開を含めた全8種類の手術法とその特徴について詳しくご紹介させて頂きます。
1-1 環状切開法
環状切開法は泌尿器科の医学書にも記載されている世界的スタンダードな方法で、国内のどの病院の泌尿器科でもこの方法で行っています。包茎の原因となる包皮の狭い部分を直接切除する為包茎がしっかり改善でき、イラストの様にリッジバンドと呼ばれる性感帯を温存できるなどリスクも低いのが特徴です。
具体的にはイラストの様に包茎の原因となる包皮の狭い部分を帯状に切除し縫い合わせる方法です。
※参考文献 Winkelmann RK: proceedings of the staff meetings of the Mayo clinic, 34:39-47, 1959
Taylor JR: Br J Urol, 77:291-295, 1996
【環状切開法の唯一のリスク:ツートンカラーになりやすい】
環状切開法は医学書にも記載されている世界的スタンダードな方法ですが、包茎という病気を治すことを重視した方法ですので美容面への配慮は有りません。下のイラストの様に環状切開術で包皮の狭いところを切り取ることで、いつも包皮の中に隠れている肌色の部分と、もともと外部に接して茶色に色素沈着している包皮(ペニスの皮)を縫い合わせることで茶色と肌色の濃淡がはっきりしてしまい『ツートンカラー』になってしまいます。
このツートンカラーはいずれ改善するものの、数年の期間が必要です。ですので、このツートンカラーを避けたい!と言う方の為の手術方法が亀頭下環状切開法です。次章で詳しく解説致します。
【環状切開法がオススメの方】
真性包茎もしくはカントン包茎で仕上がりの見た目はあまり重視しておらず、とにかく費用を安く抑えたいといった方にオススメの方法です。真性包茎もしくはカントン包茎であれば保険が効きますので費用を抑えることができます。
なお費用に関しては別記事に詳しくまとめておりますので参考にされて下さい。
1-2 亀頭下環状切開法
泌尿器科の専門医として包茎手術、全8種類のうち筆者が最もオススメしたいのは安全性と仕上がりの良さの両面を兼ね備えたこの『亀頭下環状切開法』です。この手術法は環状切開を改良した方法で、『ツートンカラーや手術後の腫れを最小限で抑え、手術後、早期に自然な仕上がりを実現できる方法』です。
まず、なるべくツートンカラーになりにくい様に切除範囲をデザインします。次に、ペニスの皮には皮下組織という腫れの原因となる組織が殆どない場所が存在しますので、その場所の近くで手術をする為、腫れも最小限で済みますし、性感を落とさずに済みます。
通常、男性器の専門家である泌尿器科医は機能面を重視し、美容面は考えません。この方法は泌尿器科医が行う『環状切開法』に、形成外科医として美容面も重視した当院オリジナルの方法です。
また美容面での工夫として、2週間で溶けるラピッドバイクリルという特殊な糸を使用しています。通常、包茎手術では吸収糸と呼ばれる溶ける糸を使用します。しかしこの糸が溶けるには数ヶ月かかる事があり、その間に『糸の跡』がくっきりとついてしまう事があるのでこれを予防する為です。
【亀頭下環状切開法がオススメの方】
包茎の手術を検討している全ての方にお薦めの方法ですが、特に排尿機能や性機能などの機能面だけでなく、美容面も配慮し自然な仕上がりを希望される方にお薦めの方法です。
以上の2つの方法が泌尿器科の専門医としてお薦めできる方法です。以下の6つの手術方法はリスクが高いのでお薦め出来ないものばかりです。
それぞれ詳しくご紹介させて頂きます。
1-3 亀頭直下切開法
亀頭直下切開法は下のイラスト通り亀頭の直下(すぐ下)ギリギリで切って縫合する方法です。
この手術方法はリスクが高く国民生活センターの資料でも問題点があげられています。具体的に、この手術法には以下の様なリスクが有ります。
■ リスク①:手術した事がバレやすい
■ リスク②:性感が落ちてしまう・包皮小帯が無くなる
■ リスク③:傷跡がケロイドになる
泌尿器科の専門医の筆者から見て本手術法は全くお勧めできません。なお、上記のリスクについて下記記事で実際に他院で亀頭直下法で手術され、被害に遭った方々の症例写真(ご許可を頂いています)付きでご紹介しています。
1-4 糸と針による切らない包茎術
『糸と針による切らない包茎術』はその名の通り、メスは使わず、その代わりに糸と針を使用します。自分で剥いて亀頭を露出できる仮性包茎の方への手術法で、下のイラストの様に余っている包皮を糸で結んでペニスの根元に手繰り寄せる方法です。包皮を切らないので手術時間も短く、手術後痛の痛みや腫れも少ないというメリットは有りますが、この手術法も以下の様にリスクが高くお薦めできません。
糸と針による切らない包茎術のリスク①:包茎に戻ってしまう
この方法の最大のリスクは『包茎に戻ってしまう』ことです。ご存知の通りペニスは勃起など伸び縮みします。またマスターベーションやセックスはかなりの摩擦が加わりますので、縫った糸は容易に取れてしまいます。
糸と針による切らない包茎術のリスク②:包茎の悪化
通常、ペニスの伸び縮みに伴って包皮も伸び縮みします。しかし、この手術法ではペニスの皮を根元に集めて固定していますので勃起、マスターベーション、セックスに伴い少しずつですが、無理やり伸ばされてしまいます。その結果、糸が切れ、元に戻った場合に包茎が悪化する可能性があります。
糸と針による切らない包茎術のリスク③:何より見た目が不自然
イラストを見ていただくと分かって頂けるとかと思いますが、ペニスの根元に皮が集まってダブついていて不自然です。
1-5 ヒアルロン酸注入による切らない包茎術
次にご紹介するのは亀頭にヒアルロン酸などの異物を入れて亀頭を大きくし、包皮が亀頭に被らない、亀頭に戻らないようにするというものです。この亀頭を含めペニスに異物を入れる行為はとてもリスクが高いので絶対にやめましょう!
リスク①:亀頭が壊死(腐って)してしまうリスク
一番の問題は『壊死』です。ヒアルロン酸などの異物が血管の中に入ってしまうと塞栓(そくせん)を起こします。つまり血液の流れを塞いでしまうのです。そうすると血液の流れが止まってしまい栄養が行き渡らず腐ってしまうのです。ペニスは海綿体という血管の集合体で形成されていますので非常に危険です。写真は実際に他院でヒアルロン酸注入を受け壊死してしまった方です(あまりにも悲惨なので加工しています)矢印の部分が壊死で溶けてしまった部分ですまるで囲った部分も壊死しており全周性にいびつな形になってしまっています。
実際に訴訟(例① 産経ニュース、例②弁護士ドットコムニュース)も複数起きています。
リスク②:亀頭がいびつになってしまうリスク
亀頭にヒアルロン酸などの異物を注入する場合、亀頭冠(いわゆるカリ)に注入します。これは先端に近づけば尿道があり危険だからです。ただ、この亀頭冠の部分だけ増大しますし、注射で入れていくので滑らかには膨らまずいびつな形になってしまいます。
リスク③:亀頭がデコボコになってしまうリスク
注入したヒアルロン酸はいずれ吸収されますが、その速度は均一ではありません。つまり吸収過程で吸収されやすい場所、されにくい場所と差が出てきます。その差がデコボコとなり修正術の依頼も多いです。また吸収されにくいだけならいいのですがヒアルロン酸はカプセル化し吸収されずしこりとして残ることもあります。
また最近は吸収されにくい異物を注入するクリニックも多く見かけます。しかしこの異物は上記の『壊死』の危険性が更に高くなってしまうので注意しましょう。
リスク④:そもそも包茎が改善しない
そもそも亀頭にヒアルロン酸などの異物を注入しても包茎は改善しません。
亀頭に注入できるのはどんなに多くても10ml程度です。10mlとはヤクルトの1/6にも満たない量です。そんな量では亀頭は上の写真の様に凸凹になるだけで包皮が亀頭に被らなくなるぐらい大きくなることは有りません。
では、もっと多量に注入すれば良いのでは?と思われるかもしれませんが10ml以上注入したら、ほぼ全員の亀頭が壊死してしまいますので悪徳クリニックもさすがにそんなに多量には注入しないのです。
1-6 クランプ法
クランプ法は下のイラストの様に包茎専用の機械を使って手術をするというものです。もともと包茎手術をした事がない医師でも手術が出来る様に開発されたものです。患者さん側のメリットは無く、この手術にも以下の様なリスクが存在します。
クランプ法のリスク①:綺麗な仕上がりにはなりにくい
ペニスの皮は前後、上下で厚み、長さも違いますし、個人差も大きいので機械で単純に切除するだけでは残念ながら綺麗には仕上がりません。
クランプ法のリスク②:傷跡がケロイドになることがある
この手術法では機械でペニスの皮をかなり強い力で挟みますので、皮膚が挫滅(ざめつ)してしまう恐れがあり、ケロイドになってしまう恐れがあります。
1-7 バックカット(陰茎根部切開)法
下のイラストの様にペニスの根元で皮を切り取ることで傷が隠毛に隠れて目立ちにくくする為の手術です。しかし残念ながらこの手術方法も以下のリスクが存在する為お薦めできません。
バックカット(陰茎根部切開)法のリスク①:腫れやすい
ペニスの根元で切っていますのでペニス全体、亀頭から根元まで1ヶ月程度かなり腫れます。
バックカット(陰茎根部切開)法のリスク②:傷が目立ちやすい
この方法、実は傷が目立ちやすいです。ご自身の陰毛を見てもらえばわかりますが余程の多毛でない限り、陰毛の間から地肌が見えますよね?何となく陰毛があるから見えにくいという錯覚を利用しただけで、実際は隠毛の間から傷が目立ちます。
バックカット(陰茎根部切開)法のリスク③:傷跡がケロイドになるリスク
下のイラストの様にペニスと根元の皮膚の間では緊張がかかる方向が違います。ペニスは体の軸に垂直の方向に伸び縮みしますがお腹に近い根元の皮膚は体の軸に平行に緊張がかかるので傷が硬くなってなりやすく、さらに目立ってしまうのです。
1-8 背面切開法
背面切開法は、下のイラストの様に余っているペニスの皮を切り取らずに狭い部分に切り込みを入れる手術です。
ちなみにクリニックによっては縦切開横一文字法と名付けていますが、背面切開と内容は一緒です。手術内容がわかりやすい様に言い換えたものです。縦に切り開いて横に一文字を描く様に縫う、という意味です。
背面切開、縦切開横一文字法は、これから成長過程にある子供の包茎治療で活用される方法です。どのくらい成長するか個人差がありますのでむやみにペニスの皮を切り取らないという考えです。成長に伴ってもちろん、ペニスも成長しますので皮を多く切り取ってしまった場合、将来大人になって勃起時に皮が足りずに、うまく勃起出来なくなるのを防ぐためです。
背面切開法のリスク①:限界がある
狭い包皮を切り取らないので、1箇所切り込みを入れただけでは狭い部分の根本的な解除は困難です。しかし何箇所も切り込みを入れれば傷跡だらけになりますのでそんな事はしません。
ですので、今後包皮が自然に伸びる可能性がある子供の包茎の一時しのぎの方法に過ぎません。
背面切開法のリスク②:形がいびつになる
上のイラストの様にペニスに1ヶ所だけ切り込みを入れるのでそこだけペニスの皮がダブついてしまいます。
いかがでしたでしょうか。
包茎手術の代表的な手術法をご紹介致しました。
成人男性でとりあえず包茎が改善すればいい(見た目の出来上がりは重視しない)と言う方は真性包茎もしくはカントン包茎であれば保険が効きますし『環状切開』でも良いかもしれません。出来上がりの見た目も重視したい、自然な仕上がりを求めたいと言う方は『亀頭下環状切開法』がオススメです。
2. 包茎手術では医師・クリニック選びが重要
ここまで包茎手術の種類に関して見て参りましたが、包茎手術を検討する際に大切なのは手術方法だけではありません。その手術を行う医師やクリニックがとても大切です。
本章では、包茎手術においてどの様な医師、クリニックを選べばいいのか解説させて頂きます。
2-1 医師が泌尿器科専門医である事
包茎手術はただ余っている包皮を切れば終わりではありません。手術の際には当然勃起していませんので、勃起時を想定したデザインや性機能、排尿機能など機能面への配慮が必要になる為、男性器への深い知識と手術の経験が必要になります。これは泌尿器科医でないと困難です。
また泌尿器科専門医は手術件数、学会発表、論文発表などの条件を満たした上で試験に合格しなければ与えられない資格であり、一定のレベルが保証される証です。受診を考えている病院、クリニックのHPで担当になる先生の経歴をチェックしてみましょう。
2-2 形成外科医としての技術も重要
上記の亀頭下環状切開法の様な見た目にも配慮した環状切開法を行うには形成外科としての心得も必要になります。形成外科医は外科医の中でも顕微鏡を用いた繊細な手術を日々行っており機能面の改善だけでなく、本来あるべき自然な姿を再現する為に美容面も重視してデザイン、手術を行なっています。筆者も形成外科医として髪の毛より細い糸と針で傷跡が最大限残らない様に工夫し数多くの手術を行って参りました。是非、形成外科医の技術も併せ持つ先生がオススメです。
2-3 費用が適正価格である
下のグラフは美容・包茎専門クリニックで包茎手術を行った方の手術契約費用です。
国民生活センター 美容医療サービスにみる包茎手術の問題点より引用
広告では包茎手術費用、3万円などと記載していますが、実際にクリニックに行くと綺麗に仕上げる為、と追加手術費用を上乗せし高額請求に繋げクリニックが存在しますので注意しましょう。
2-4 手術に関してカウンセラーではなく医師とじっくり相談できる
包茎手術は大きな手術ではありませんが、とてもデリケートな問題でもあり、多くの不安、疑問があるかと思います。是非、男性器に対し深い知識と経験を持つ泌尿器科専門医に相談できるクリニックを選びましょう!
美容・包茎クリニックでは受診すると医師ではなくカウンセラー(医療の資格などを持たない一般事務員)と呼ばれる男性が手術方法など説明して医師は2-3分程度の診察、というケースが多いです。この点は国民生活センターへの相談事例でもたびたび問題になっていますので注意しましょう。
2-5 スタッフが全員男性のクリニック
包茎治療を含めた男性器治療はとてもデリケートな問題です。せっかく勇気を出して受診しても女性スタッフである為に恥ずかしくて言いたいことも言えず満足がいく手術が受けられなかった、と言う方が時折、再手術希望で来院されます。ぜひ医師を含め全スタッフ男性のプライベートクリニックがオススメです。
3. 包茎手術は泌尿器科専門医へご相談下さい
包茎手術は病院で治療すると看護師さんがいたり入院が必要であり、ツートンカラーになると通常の泌尿器科を避ける方が多くいらっしゃいます。しかし国内ではその状況を逆手に取り不誠実な治療や高額請求を行うクリニックが多く存在します。本記事でご紹介した様なリスクの高い手術を平然と施行し後遺症で訴訟に至るケースも多発しています。また、この様なクリニックの大半は医師ではなく、男性器治療をビジネスと捉えた企業の経営です。
福岡のカズ博多クリニックはその様なクリニックのアンチテーゼとなるべく日本泌尿器科専門医の院長が開院したクリニックです。『男性器治療をビジネスではなく、泌尿器科専門医が医療として治療する』をコンセプトに日々診療しています。包茎手術では本記事でご紹介した亀頭下環状切開切除術にて機能面も美容面にも配慮した包茎手術を行っています。泌尿器科専門医による男性器クリニックは国内で当院のみです。スタッフも全員男性ですのでお気軽にご相談下さい。
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