【泌尿器科の専門医が徹底解説】睾丸摘出(玉抜き)の費用相場は?

「睾丸摘出(玉抜き)したいけど費用ってどのくらいかかるんだろう」
「保険って効くのかな」
「インターネットを見るとぼったくりもあるって書いてあるし
と不安な事でいっぱいですよね?

結論から言うと、睾丸摘出(玉抜き)は約30万円で、非常に限られた条件ですが保険が効きます
そして残念ながら手術内容、金額面で不誠実なクリニックも多く認めます

ですので、睾丸摘出(玉抜き)は費用面だけでクリニック選びをするのは非常に危険です

そこで本記事では、日本泌尿器科学会認定の専門医として数多くの睾丸摘出(玉抜き)を執刀してきた筆者が

  • どんな場合に保険が効くのか
  • 手術以外にかかる費用、支払方法
  • 費用を安く抑えるコツ

そして『どんなクリニックを選べばいいのか』をどこよりも詳しく、正しい情報をお届けします。是非参考にして下さい!

1. 手術費用相場と保険適応

睾丸摘出(玉抜き)は文字通り陰嚢(いんのう:金玉袋のこと)に包まれた睾丸(精巣)を手術で取ってしまう事を言います。性同一性障害(GID)でMTFmale to female:男性から女性)の方の場合、睾丸摘出(玉抜き)は初期に考える治療法です。中には、睾丸摘出(玉抜き)をすれば、それ以上は望まないという方も多くいらっしゃいます。睾丸摘出(玉抜き)を行うことでかなり女性化する為です。

では早速手術費用の相場から見て行きましょう!

1-1 睾丸摘出(玉抜き)の手術費用相場

MTFの方へ睾丸摘出(玉抜き)を行っているのは大学病院とGIDクリニックです。

睾丸摘出の費用比較

大学病院から解説します。

1-1-1 大学病院の場合

大学病院での睾丸摘出(玉抜き)の手術費用は約30万円でこれに、診察代、検査代、麻酔代、入院費、薬代などが加わりますので総額では約50万円です。

ただ大学病院でMTFの方へ睾丸摘出(玉抜き)を行っている病院は、ほとんど有りませんGID治療を行っている医師(睾丸摘出は泌尿器科)はとても少ないのが理由です。

1-1-2 ジェンダークリニックの場合

ジェンダークリニックでの睾丸摘出(玉抜き)の手術費用は約30万円でこれに、診察代、検査代、麻酔代、入院費、薬代などが加わりますので総額では約50万円です。

当院の様に、手術以外の料金も30万円に全て含むクリニックも有ります。

1-2 睾丸摘出(玉抜き)の保険適応

次は保険適応のお話です。2018年からSRS(性別適合手術、いわゆる性転換手術)に保険が効く様になりました。しかし保険が効くのは岡山大学病院(岡山市)、札幌医科大学病院(札幌市)、山梨大学病院(山梨県中央市)のみで、しかもホルモン療法を実施していない人に限ります

MTFの方は大半がホルモン療法を行っていますのでほとんどの方で保険が適応外になってしまいます。仮に保険が適応になった場合手術費用が10万円、そのほかの費用を含めて総額では約30万円です。また大学病院では手術は数年待ちの状態です。

睾丸摘出(玉抜き)は片方では全く意味がありません

MTFの方からの問い合わせで『片方の睾丸摘出(玉抜き)の料金はいくらですか』とお問い合わせを頂く事があります。睾丸(精巣)を片方だけとっても分泌される男性ホルモンは元の半分まで減少しませんし、残った精巣は少し大きくなります

片方だけ睾丸摘出(玉抜き)することに意味は全く有りませんので注意しましょう

2. 手術以外にかかる費用

睾丸摘出(玉抜き)では大学病院はもちろん、クリニックによって手術費用以外で以下の7つの費用がかかることがあります。手術代だけを見て安い!と判断しない様に注意しましょう。

2-1 カウンセリング費用、初診料、再診料

初回のカウンセリング、診察や再診にかかる費用です。初診料は約5000円、再診費用は2000円程度です。

2-2 検査費

手術を安全に行う為、糖尿病などの病気を持っている方など、検査をする場合があります。その場合検査費用が加算され多くは数千円から1万円程度です。

2-3 入院費

通常、大学病院では1週間以内の入院が必要で、手術費用とは別に約5〜10万円入院費用が必要です。

2-4 麻酔費用

手術の際に痛みがない様に麻酔をする料金です。手術代に含まれることが多いですが、クリニックによっては別に請求しているクリニックもございます。その際には約3〜10万円必要です。

2-5 キャンセル費用

手術をキャンセルする際にかかる料金です。2週間前までにキャンセルするとキャンセル料がかからないクリニックは多いですが、前日や当日のキャンセルは手術費用の数十%支払わなければならない場合があります。

2-6 消費税

診察費や手術費、麻酔代など様々な費用に消費税が加算されます。

2-7 トラブル時の診察費、薬代

手術のトラブルが有った時に診察、治療を受ける為の費用です。

大学病院はもちろん、クリニックによって診察費、薬代併せて2000円程度かかります。当院の様に保証がある場合などもありますので、手術を受けるクリニックに確認してみて下さい。

. 支払方法

支払方法はクリニックによって違いますが、現金、クレジットカード、医療ローンが使えます。ローンを使用する場合は審査がありますので下記の様な書類が必要になります。

◆身分証明書(運転免許・保険証・パスポート等)
◆通帳やキャッシュカード
◆通帳の登録印

なお医療ローンは510%程度の金利(利息)がつきますので、返済プランの計画性を持って利用しましょう。

4. 手術費用を抑える方法

睾丸摘出(玉抜き)は適正と思われる費用でも30万円と決して安くは有りません。できれば安く、お得に手術を受けたいと思っている方は多いのではないかと思います。

クリニックによって以下の様な割引が有ります。ぜひ検討して見てください。

4-1 紹介割

そのクリニックで治療を受けた方の紹介であれば手術費用が割り引かれる制度です。510%程度割引を行っているクリニックを有りますのでチェックしてみましょう

紹介、というだけで100%安心はできません

紹介されて、もしくは紹介会社を通じて睾丸摘出(玉抜き)を受けられる方の中で下記の様な問題に直面した方もいらっしゃいます。

  • 問題が発生したらエージェントと連絡が取れなくなった。
  • お金も全て払っていたのに自分の希望した病院とは違う病院に連れて行かれ嫌なら帰る様に言われた。
  • 術後合併症が発生したが問題ないと帰された。

オススメは本記事をお読み頂きご自身でクリニックを選ぶことですが、紹介してもらう場合には、いざ問題が発生した時にはどの様な対応をしてもらえるのか、など事前に確認しておきましょう。

4-2 他の手術とのセット割

睾丸摘出(玉抜き)と同時に、陰嚢(いんのう:金玉袋)切除などの手術を行う場合は割引になる制度です。一度で行えば時間もお金も節約になりますので他の手術もいつかしたいなと思ってる方は検討されてもいいかもしれません。クリニックにもよりますが1020%の割引があります。

注:いずれ造膣術を検討している、という方はその際に陰嚢を使用する方法もございますので手術前によく考えましょう!

5. 費用ではなく医師・クリニック選びが非常に重要

睾丸摘出(玉抜き)において最も重要なのは医師・クリニック選びです。もちろん費用面も大切ですが、自分の体を預けるのですから、費用だけで医師・クリニックを決めてはいけません。

5-1 手術の値段だけで決めてしまうのは非常に危険

睾丸摘出(玉抜き)は、費用が安いという理由でクリニックを選ぶのはとても危険です。理由としては高額請求という問題もありますが、睾丸摘出(玉抜き)は細かな部分で出来上がりに差が出る手術だからです。

例えば、下のイラストのように睾丸は精索(せいさく)という血管や精子の通り道である精管が入った管につながっています。この精索をしっかり摘出しないと痛みが出現しますし、せっかく手術したのに精索が残り、しこりが残った様になってしまいます

睾丸摘出説明図

睾丸摘出(玉抜き)で最良の結果を得る為には

『医師・クリニック選び』

がとても大切です。結論としては

  • 医師が泌尿器科医(可能であれば学会認定の専門医)であること
  • 睾丸摘出(玉抜き)に診断書が必要なクリニック
  • 手術に関してカウンセラーではなく、じっくり医師と相談できるクリニック

の3点がとても大切です。

では次章で詳しく見ていきましょう!

5-2 手術するクリニックを選ぶ時に絶対にチェックしておきたい3つの特徴と当院の紹介

5-2-1 医師が泌尿器科医(可能であれば学会認定の専門医)であること

大学病院であれば睾丸摘出(玉抜き)は泌尿器科医が施行しています。泌尿器科医は睾丸を含めた男性器の知識が豊富であるだけでなく、『精巣(睾丸)のがん』、『前立腺がん』の治療で睾丸摘出(玉抜き)の手術に慣れています。また『がんの手術』はMTFの方の睾丸摘出(玉抜き)に比べ難易度がとても高いので、泌尿器科医にとってMTFの方の睾丸摘出(玉抜き)で安全に質の高い手術を行うことは難しくありません。実際に私も泌尿器科医として2000件を超える睾丸摘出(玉抜き)を行って参りました。

また泌尿器科、その中でも可能であれば日本泌尿器科学会認定の専門医がオススメです。泌尿器科専門医は手術件数、学会発表、論文発表などの条件を満たした上で試験に合格しなければ与えられない資格であり、一定のレベルが保証される証だからです。

通常のジェンダークリニックは泌尿器科医が少ないので、受診するクリニック、医師に確認しましょう!

 5-2-2 睾丸摘出(玉抜き)に診断書が必要なクリニック

睾丸摘出(玉抜き)は一度行ってしまうと、いかなる理由があっても元には戻せません。人生において文字通り一度きりしかない大きな決断ですので、通常GIDの治療においても精神科2名の先生の診断書が必要、とガイドラインにも記載されています。

しかし、実際は診断書がなくても睾丸摘出(玉抜き)を行っているクリニックも存在しますがオススメできません。確かにMTFの方の早く手術をしたいという強い気持ちは理解できますが、その気持ちが強いのであればこそ慎重になるべきだと考えます。

後悔のない睾丸摘出(玉抜き)を受けられる様に診断書が必要なクリニックをお勧めします。

5-2-3 手術に関してカウンセラーではなく、じっくり医師と相談できるクリニック

通常のジェンダークリニックでは受診すると医師ではなくカウンセラー(医療の資格などを持たない一般事務員)と呼ばれる方が手術方法など説明して医師は2-3分程度の診察、というケースが多いです。睾丸摘出(玉抜き)は大きな手術ではありませんが、とてもデリケートな問題です。ぜひ医師に相談できるクリニックを選びましょう!

6. まずは気軽に専門医に相談できる環境づくりを

国内ではMTFの方が睾丸摘出可能なクリニックは限られています。しかし中には、その状況を逆手に取り睾丸を片方だけ摘出するという全く意味のない手術を行ったり、睾丸摘出に慣れていない医師によるずさんな手術を行うクリニックも存在します。

福岡のカズ博多クリニックはその様なクリニックのアンチテーゼとなるべく院長が立ち上げたクリニックです。日本性同一性障害学会の会員であり泌尿器科医、形成外科医として手術歴10年以上、睾丸摘出(玉抜き)2000例以上の経験を持つ院長が睾丸摘出(玉抜き)を担当しています。本記事でも記載した通り当院では安全で質の高い手術を行なっています。

また泌尿器科専門医によるジェンダークリニックは国内唯一です。少しでも悩んでいる方は、ぜひお気軽にご相談下さい。