インターネット上には早漏の対処法、治療法が数多く紹介されていますが、早漏は『射精障害』という病気なので根本的には医学的な治療が必要です。
ED(勃起不全)を含めた『射精障害』で最も患者さんが多いのが早漏であり、全男性の20〜30%に上ります。早漏だとパートナーがオーガズムに達する可能性を半分にしてしまうことが分かっており海外では治療を受けるのがスタンダードになっています。しかし日本では性に対してオープンな文化が無く早漏で治療を受ける方も少なく、認可されているお薬も有りません。
国内では、そういった現状を逆手に取った、効果が無いばかりかリスクの高い治療が横行しています。
本記事では泌尿器科専門医が早漏の対処法、治療について医学的根拠に基き、わかりやすく、丁寧に解説します。
早漏に悩んでいる方は是非参考にして下さい!
目次
1. 早漏は治せます
たとえ早漏であっても、男性としては射精すればある程度満足できます。という事を考えると早漏を治すゴールは『早漏を治してパートナーを満足させる』ことだと思います。
ある調査(平均24歳の日本人女性1000人に調査)によると女性が望む挿入から射精までの時間は平均15分でした。つまり、射精までの時間が14分であっても早漏だと感じる女性が半分以上いるということになります。
この高いハードルを超えて、早漏という病気を根本的に治すためには、やはり医学的治療法が必要です。
2. 自分で出来る早漏対処法
上記の様に早漏という病気を根本的に治すためには、やはり医学的治療法が必要です。しかし海外と違い日本では性に対してオープンな文化が無く、早漏で治療を受けるのを躊躇される方は少なく有りません。そのような方向けに『治療』とは違いますが自分でできる早漏の『対処法』から解説させて頂きますので参考にして下さい。
2-1 意識を他に向ける
早漏は身体的にもしくは精神的に興奮していることが大きな原因ですので、セックスで気持ち良くなり過ぎてこのままでは射精してしまうと判断した時に
・他のことを考える(今日の晩御飯なに食べようとか、仕事のスケジュールなど)
・視線を他に向ける(パートナーではなく部屋の他の部位を見てみる)
を試してみると一時的に興奮が収まり射精が防げるかもしれません。
2-2 一度動きを止める
セックスの途中で気持ち良くなり過ぎてこのままでは射精してしまうと判断した時に自分の動きを止めるというものです。コレも一時的に興奮を収める行為です。動きを止めて、パートナーに優しく話しかけてあげさえすれば不自然ではありません。
2-3 セックス前にマスターベーションを行う
最後がセックスをする予定がある日にマスターベーションをしておくというものです。セックスでもマスターベーションでも複数回連続で行った場合に回数を追うごとに感度が低下していくのは想像しやすいと思います。それを利用し、セックス前に1回射精しておけば感度が低下し早漏になりにくいということです。
しかし当然ですが感度が低下することは勃起しなくなるリスクもありますので、あまりにも直前のマスターベーションは避けるなど工夫しましょう。
以上が自分でできる早漏の『対処法』になります。これらの対処法はどうしても一時的な方法に過ぎずません。やはり早漏という病気を根本的に治すためには、やはり医学的『治療法』が必要です。
では実際に早漏の『治療法』を見て行きましょう!
3. 早漏を根本的に直す医学的な治療法
早漏の治療法で代表的なものに以下の方法があります。早漏の原因には『ペニス自体が敏感なのか、精神的に敏感なのか』大きく2つありますが、治療法はどちらでも大きくは変わりません。しかし精神的に敏感である場合、まずは心理的なカウンセリングを受け、それでも効果を認めない場合に下記の治療法を検討することをお勧めします。
なお、早漏の原因については別記事に詳しくまとめてますのでご参照下さい。
では治療法をオススメ順に見ていきましょう!
3-1 手術
いきなり手術?と思われるかもしれませんが、根本的な治療で、医学的に見て最も効果が期待できるのは『手術』になります。手術と言っても日帰りで出来る様な手術です。手術には2種類有り、包茎の方はまず包茎手術をご検討頂き、包茎でない方は包皮小帯切除術をご検討下さい。
3-1-1 包茎手術
包茎を治療することで早漏を改善することが出来ます。
包茎では敏感な亀頭が包皮(ペニスの皮)で守られていますので、性行為で外部に露出し、刺激を受けることで普段から外部の刺激を受けている仮性包茎ではない方に比べ早漏になってしまうからです。
大人(15才以上)の包茎治療は基本手術のみです。他のサプリであったり、自力、強制器具を検討する方もいらっしゃいますが効果が無いばかりか、リスクも高いので絶対に避けて下さい。
包茎手術のハードルは低くは有りませんが、実際に手術された方の満足度はとても高いのでぜひ検討されて下さい。また包茎を治療すべき理由は早漏だけではありません。詳しくは別記事にまとめておりますので参考にして下さい。
3-1-2 包皮小帯(裏スジ)切除術
包茎では無いけど早漏で悩んでいるという方に包皮小帯(裏スジ)を切除し少し敏感さを軽減する手術です。簡単な手術で10分と掛かりません。包皮小帯には少量ですが性感を感じる神経が通っていますので、そこを切る事で早漏の治療になります。
様々な美容・包茎クリニックのサイトに包皮小帯に神経が集まっているから…と記載がありますが、神経が集まっているのは包皮小帯の表面ではなくもっと深い部分です。その証拠に包皮小帯(裏スジ)だけつまんでも何にも気持ちよくないと思います。
3-2 行動療法(スタート&ストップ法)
行動療法(スタート&ストップ法)にはいくつかの種類がありますので本記事では代表的な2つをご紹介します。
3-2-1 セマンズ法
セマンズ法は、パートナーの協力のもとに、ペニスを用手的に刺激し、射精しそうになったら刺激を中止することを3回繰り返し、4回目に射精することで、射精を自分でコントロールするトレーニングです。
3-2-2 スクイーズ・テクニック
スクイーズ・テクニックは、射精しそうになったら包皮小帯を親指で抑えて、セマンズ法同様、射精を調節する方法です。
どちらの方法もパートナーの協力と時間が必要な為、現実的には困難です。
3-3 薬物療法
薬物療法は日本未承認です。しかし実際にはインターネットなどで個人販売しています。薬はお手軽で手を出しやすいかもしれませんが医師の処方なしに薬を購入するのはとても危険です。中には成分が全く異なるものが入っている可能性もありますので絶対にやめましょう!
3-3-1 飲み薬
早漏に対する飲み薬としてうつ病の薬であるSSRIというお薬が存在するものの、日本では未承認です。また副作用に射精障害、ED(勃起不全)もあるので注意が必要です。
3-3-2 局所麻酔薬
麻酔の成分が入った軟膏をペニスに塗るというもので、その影響で感度が落ち射精までの時間が延びるというものです。ある程度の効果は認めるとは思いますが、気持ち良さは半減し射精障害、ED(勃起不全)に陥る危険性もあるので注意が必要です。
また塗り薬なので、事前に隠れて塗る必要があること、塗っていると触られた時にバレますし、オーラルセックス(フェラチオ)は困難です。
よくEDが早漏の原因として記載されているサイトを拝見しますが、EDは早漏の原因にはなりません。早漏の方のなかでEDを合併している方が3割ほどいるのでこの様な勘違いが生まれるのです。
実際に早漏とEDを併せ持つ方にEDの治療を行いましたが早漏の改善は認めませんでした。
※参考文献 永尾 : 泌尿器外科. 2013 ;26(9):1363-71
但しこの2つを併せ持つ方の場合、ED治療薬を飲むことで弱い刺激でも勃起するので早めに挿入ができ、早漏の対策にはなります。
4. 絶対に避けるべき危険な治療法
早漏治療は自由診療が中心になる為、残念ながら不誠実な医療が高額で行われています。下記の3つの治療は早漏の治療として絶対に避けたい治療方法です。注意して下さい。
4-1 ヒアルロン酸などの異物注入による亀頭増大
ペニスの中でも敏感な部位である亀頭にヒアルロン酸などの異物を注入し敏感さを低下させるという処置です。この治療では重大なリスクが存在します。
■ リスク①:ペニスが腐ってしまう
■ リスク②:亀頭がデコボコになってしまう
詳しくは症例写真付きで別記事でご紹介していますので、是非参考にして頂き絶対に避けましょう!
4-2 神経切断術
次が神経切断術です。包皮小帯(裏スジ)切除術と原理は一緒ですが神経そのものを切断しますので、敏感さが軽減するどころか、感じなくなってしまう危険があります。
また手術をしてしまうと元には戻れない為、絶対にやめましょう。
4-3 インターネット販売による薬物療法
上記の薬物療法のお薬が日本で未承認の為、インターネットで個人購入をする方がいます。しかしインターネットで購入した薬の成分が思っていた薬とは全く異なった成分が入っており亡くなった方もいます。また早漏で使用する薬は扱いがとても難しいお薬で様々な有害事象(重大事件に至るほどの攻撃性・自殺念慮・精子に与える影響)がありますので個人で購入するのは絶対に止めましょう。
早漏は『射精障害』という病気です。病気であれば医師による診察、治療が必要になりますので多くのサイトにある様なマニュアル、動画を購入しても改善は困難です。
購入した方の口コミを拝見すると、マニュアルいっぱいにお経が書いてあって射精しそうになったらこれを読むようにとの指示が書いてあったそうです。。
5. 早漏の治療は専門医に相談しましょう
早漏は全男性の2〜3割の方が悩んでおり、ED(勃起不全)に悩む方より多いと言われています。海外では治療がスタンダードですが、日本では性に対してオープンな文化も無く治療を考える方は多くありません。またこの様な現状を逆手に取ったヒアルロン酸を使った早漏治療などリスクの高い治療方法を堂々と行うクリニックが多く存在します。
福岡のカズ博多クリニックはそんな病院のアンチテーゼとなるべく開院したクリニックです。日本泌尿器科学会専門医で聖路加国際病院や京都大学附属病院で研鑽を積んできた院長が早漏治療を担当します。泌尿器科医として決めうめんは勿論、形成外科医としても多くの手術経験がございますので美容面(見た目)にも配慮した傷跡の少ない手術をご提案できます。また泌尿器科専門医による男性器クリニッックは日本唯一です。スタッフも含め全て男性ですのでぜひお気軽にご相談下さい。
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