『あれ?こんなぶつぶつあったかな…もしかして性病?ほっといたらヤバイのかな?』
ペニスにあるブツブツを発見し、そう思っていませんか?
しかし、家族、彼女(奥さん)は勿論、友人にだってなかなか相談できる事でもありません。
ペニスにできるぶつぶつは性病でないものも有ります。だからといって本当は性病なのに放っておくと広がってしまい痛みが出たり、出血したり、またパートナー、家族に感染して迷惑をかけることにもなりかねません。
また性病でないものも放っておくことでデメリットを生じます。
そこで、今回は泌尿器科学会認定の専門医である筆者が分かりやすく解説させて頂きます。
皆さんは手遅れにならないうちに、ぜひ本記事をお読み頂き、ペニスにできるぶつぶつについて、知識を深めて次のアクションのキッカケにして下さいね!
目次
1. ペニスのぶつぶつは性病とそうでないものがある
ペニスにできるぶつぶつには性病ではないものと性病の2種類が存在します。それぞれ写真を提示させて頂きます。
1-1 性病ではないもの:フォアダイス 、タイソン(包皮)腺、真珠様陰茎小丘疹(PPP)
1-2 性病:尖圭コンジローマ
2. 性病かどうかの見分け方
いかがでしょうか。比較的、特徴のある写真を集めましたが、実際にはかなり見分けにくいこともあります。では医師がどうやって診断を行っているかというと、ほとんどが『視診』、つまり目で見て判断します。
本章では性病、性病でないもの、それぞれのぶつぶつの特徴を解説します。
2-1 性病のぶつぶつの特徴
ぶつぶつのサイズもバラバラで、鳥のトサカやカリフラワーの形に似ているのがお分かりいただけますでしょうか。そういったぶつぶつは性病(尖圭コンジローマ)である可能性が高くなります。また『性病:尖圭コンジローマ』はペニス、陰囊(いわゆる金玉袋)、肛門周囲、時には尿道や膀胱など、あらゆる場所に発生します。
2-2 性病ではないブツブツの特徴
大きさは個人差があるものの共通点としてほぼ同じサイズのぶつぶつが並んでいる事が分かります。この様な場合、性病でないもの『フォアダイス 、タイソン(包皮)腺、真珠様陰茎小丘疹(PPP)』の可能性が高いです。
また各疾患の項目でご紹介する様に『性病でないもの』は発生する場所が大方決まっています。
自分で判断せずに泌尿器科を受診しましょう!
以上が簡単な鑑別方法(見分け方)になります。とは言ってもサイズがバラバラな『性病でないもの:真珠様陰茎小丘疹(PPP)』や、サイズが均一で鳥のトサカやカリフラワーの形をしていない『性病:尖圭コンジローマ』の患者様も少なくありません。
また自分では性病ではないだろうと思っていたのに、性病だった場合には悪化したり、パートナーに感染する危険性も有ります。ペニスにぶつぶつができたら泌尿器科を受診しましょう。
3. ペニスにぶつぶつを発生させる4つの疾患
次にペニスにぶつぶつを発生させうる4つの疾患について詳しく解説します。頻度の多いものから順にご紹介します。
3-1 性病ではない:フォアダイス
フォアダイスは元々、陰毛の毛根の周りにあるはずの脂腺(ぶつぶつの正体)が包皮(ペニスの皮)に独立して存在し中の脂肪が透けて見えたものです。皮脂を分泌する為、ペニス特有のニオイを発生する原因になります。写真の様に、包皮(ペニスの皮)に発生するぶつぶつで成人男性の約65%に認めます。
フォアダイスはよく性病と勘違いされますが、性病ではありません。ただ性病に見られる症状や見た目と非常によく似ていますので、自分で「これはフォアダイスだから安心」と判断せずに専門医の診断を仰ぎましょう。
治療は電気メスによる焼灼で、数分で治療可能です。麻酔しますので処置中に痛みを感じる事は有りませんし抜糸などもありませんので再診の必要もありません。フォアダイスに関しては下記記事により詳しく記載していますので参考にされて下さい。
3-2 性病ではない:真珠様陰茎小丘疹(PPP)
真珠様陰茎小丘疹(PPP)は写真の様に亀頭の亀頭冠(カリ)にできる大きさの均一なぶつぶつで、少しずつ増えていくのと、見た目が尖圭コンジローマに似ており、女性からも「性感染症では…」と勘違いされることもありますが性病ではありません。簡単に言えば毛穴の皮脂(皮膚の汚れやあぶら)、ニキビに近いものです。
この真珠様陰茎小丘疹(PPP)、原因の多くは包茎です。包茎は包皮(ペニスの皮)との間に汚れや脂(あぶら)が溜まりやすい為です。実際に包茎手術を行なった方は目立ちにくくなります。
治療法はフォアダイスと同様で電気メスによる焼灼で、数分で治療可能です。麻酔の効果で処置中に痛みを感じる事は有りませんし抜糸などもありませんので再診の必要もありません。
真珠様陰茎小丘疹(PPP)に関してより詳しくお知りになりたい方は下記記事をご覧下さい。
3-3 性病:尖圭コンジローマ
尖圭コンジローマは性病です。HPV(human papillomavirus:ヒト乳頭腫ウイルス)というウイルスの感染によるもので感染して約1〜3ヵ月の潜伏期間(症状の無い期間)を経て、感染部位に写真の様なぶつぶつが発生します。
尖圭コンジローマは亀頭だけでなくペニス、陰囊、肛門周囲、時には尿道や膀胱など、あらゆる場所に発生します。最初は亀頭だけだったとしても治療せずに放置しているとどんどん広がっていきますので注意が必要です。
主な治療法は電気メスのよる切除です。といっても、数分で終わり麻酔しますので処置中に痛みを感じる事は有りません。抜糸などもありませんので再診の必要もございません。
なお、尖圭コンジローマに関しては下記記事に詳しく記載していますので参考にされて下さい。
3-4 性病ではない:包皮腺(タイソン腺)
タイソン腺(包皮腺)は包皮小帯(裏スジ)の周りに出来るぶつぶつです。このブツブツも性病と間違われる事が多いですが性病ではありません。この包皮腺も包茎が原因ですが、恥垢という包皮(ペニスの皮)のアカを分泌しますのでペニス特有ニオイの原因になります。
治療法はフォアダイス、真珠様陰茎小丘疹(PPP)と同様で電気メスによる焼灼で、数分で治療可能です。なお、タイソン腺(包皮腺)については下記記事で詳しくご紹介しています。
4. ペニスのぶつぶつ治療でクリニックを選ぶときの3つのポイント
4-1 医師が泌尿器科専門医もしくは皮膚科専門医
専門家である泌尿器科もしくは皮膚科を受診しましょう。しかし真珠様陰茎小丘疹(PPP)が対応外の皮膚科もあるので受診前に問い合わせてみるか、心配であれば泌尿器科を受診する方が良いかもしれません。
また『学会認定の専門医』は診察、処置、手術件数、学会発表、論文発表などの条件を満たした上で試験に合格しなければ与えられない資格であり、一定のレベルが保証される証です。上記した様に亀頭のブツブツの診断は視診(目で見て診断)で行うので経験豊富な学会認定の泌尿器科専門医もしくは皮膚科専門医に診てもらうことをお勧めします。
4-2 性病、フォアダイス、真珠様陰茎小丘疹(PPP)、包皮腺(タイソン腺)のどれも対応可能なクリニック
通常の公立病院の泌尿器科、皮膚科では性病である尖圭コンジローマの治療は行なっていますが性病ではないフォアダイス、真珠様陰茎小丘疹(PPP)、包皮腺(タイソン腺)の治療は行なっていません。どれも診察、治療できるクリニックがお勧めです。
4-3 治療に関してカウンセラーではなく、じっくり医師と相談できるクリニックである事
男性器治療のクリニックでは受診すると医師ではなくカウンセラーと呼ばれる男性が手術方法など説明して医師は2-3分程度の診察、というケースが多いです。ほとんどのカウンセラーは医療の資格などを持たない一般事務員です。亀頭のブツブツ治療は診断、治療法の決定など経験と豊富な医療知識が必要になります。医師、できれば学会認定の専門医に相談できるクリニックを選びましょう!
なお国民生活センターへの相談事例でもこの点に関してはたびたび問題になっています。
5. ペニスのぶつぶつを見つけたら焦らずにまず相談して下さい
ペニスのぶつぶつ治療は自由診療であることが多い為、本記事でもご紹介した通り60万円と高額請求された方がいらっしゃいました。その方はフォアダイスだったにも関わらず性病と診断され治療を促されたそうです。
ペニスのぶつぶつに限らず男性器治療では治療内容、料金ともに不誠実なクリニックが多数存在します。
福岡にあるカズ博多クリニックはそんなクリニックのアンチテーゼになるべく産声をあげたクリニックです。泌尿器科医、形成外科医として手術歴10年以上、男性器の施術は5000例以上の経験を持つ筆者(院長)が正確な診断・治療を提供致します。また日本泌尿器科学会認定の専門医による男性器クリニックは国内唯一です。通常の泌尿器科とは違い、スタッフも全て男性ですのでお気軽にご相談下さい。
※参考文献
・重原 一慶 泌尿器Care & Cure 22巻4号 Page497-500 (2017)
・Kostis I, et al Urol Ann. 2012 Sep-Dec4 (3) 145-149
・Diepgen TL et al : J Clin Aesthet Dermatol. 2016 Mar9 (3 Suppl 1) S2-S15
・Caio Lamunier de Abreu Camargo, et al : An Bras Dermatol. 2014 Mar-Apr89 (2) 236-241
・Aldahan AS, et al : Mens Health. 2018 May12 (3) 624-627
・Sapra P, et al : JAMA Dermatol. 2013 Jun149 (6) 748-50
・Leung AK, et al : J Pediatr. 2014 Aug165 (2) 409
・Badri T, et al : StatPearls 2018
・Rane V, et al : Aust Fam Physician. 2013 May;42(5):270-4
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