『前から気になってはいたけど、最近急激に薄くなったなあ』
『シャンプーも気を使ってるのに全然増えない』
そんな風に思っていませんか?
薄毛に対する効果的な改善方法が明らかになってきているものの、その歴史は浅く、どんな改善の方法があるのか、まだまだ広く知られていません。しかし近年、『薄毛』はその原因、メカニズムが解明され、きちんと対策を行えば90%以上の方で改善を認めるようになりました。
本記事では京都大学病院に勤務時代、薄毛治療のお薬を研究してきた筆者が髪の毛を増やす5つの方法を分かりやすく丁寧に説明致します。『抜け毛・薄毛の進行レベル別対策法』も解説致しますので、必ず自分に合った『髪の毛の増やし方』が見つかると思います。
少しでも悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみて下さい!
目次
1. 髪の毛を増やす5つの方法 〜オススメ順〜
髪の毛を増やすには『生えてくる髪の毛』が『抜け毛』より多くなければいけません。
当然ですが『生えてくる髪の毛』を増やしても『抜け毛』が多ければ髪の毛は増えません。
そこで今回は『抜け毛』を減らしつつ、『生えてくる髪の毛』を増やす方法を
『手軽さ』×『効果』
とのバランスでお勧めできる順にご紹介します!
1-1 AGA・FAGA治療
1-1-1 AGA(男性型脱毛症)
AGA治療、実はとても『手軽』で『効果的』なんです。
毎日1回お薬を飲むだけで、90%以上の薄毛に効果があります。
AGAはAndrogenetic Alopeciaの略で「男性型脱毛症」という病気です。薄毛が『病気』と聞いて、信じられないかもしれませんがAGAは医学的に『病気』に分類されていて、実にほぼ全ての男性の薄毛に関連しています。
※ 参考文献 佐藤ら Skin Surgery (0918-9688)16巻3号 Page126-131(2007.11)
AGAは髪の毛の正常なサイクル(下のイラストのピンクの矢印)が悪玉男性ホルモンの影響で短いサイクルに置き換わってしまい、髪の毛がしっかり成長する前に抜けてしまう事が原因です。
薄毛の原因が一つという方は少ないので、他の原因にも対処していくことは必要です。
しかし、他の方法を試したとしても、この悪玉男性ホルモンをブロックしない限り、『目に見える薄毛の改善』を得ることはできないのです。
AGAのお薬はこの悪玉男性ホルモンをブロックする事で『薄毛の進行』を防ぎ、更に『発毛』を促します。
AGAの治療は『お手軽』かつ『確実な効果』が実感できます。
副作用のリスクも低く、安全なお薬ですので是非検討しましょう!
【実際のAGA治療の流れ】
STEP1:お問い合わせ・受診予約
STEP2:受診・問診表への記入
STEP3:医師(院長)による診察
問診+肉眼、マイクロスコープにて頭部全体を診察し患者様に合った適切な治療をご提案いたします。
STEP4:お会計
費用はお薬にもよりますが3〜5万円/月、病気ではないので保険が効きません。
STEP5:処方・ご帰宅
1-1-2 FAGA(女性型脱毛症)
FAGA(女性型脱毛症)の方もお薬だけで7割以上の方が薄毛の効果改善を実感できます。
男性同様、女性で薄毛に悩む方の多くがホルモンバランスの乱れが原因です。加齢によって女性の髪の毛の成長に不可欠な女性ホルモン(エストロゲン)が低下してしまいます。
薄毛の原因が1つという方は少ないので、他の原因にも対処していくことは必要です。
しかし、他の方法を試したとしても、このFAGAを治療しない限り『目に見える薄毛の改善』を得ることはできないのです。
『髪は女性の命』とも言われます。FAGAの治療は『お手軽』かつ『非常に効果的』です。副作用のリスクも低く安全なお薬ですので是非検討しましょう!
1-2 育毛剤
AGA治療で髪の毛を増やすためには、髪の毛が『育ちやすい環境』を整える必要があります。その為に必要なのが『育毛剤』です。
皆様に知っておいて頂きたいのは、育毛剤は『育毛』であって『発毛』ではないということです。
『育毛』:髪の毛を育てることを意味し、頭皮に栄養を与えて髪にハリやツヤ、コシを生み出すること
『発毛』:薄毛で髪の毛が抜けてしまった場所に再び髪の毛を生やすこと
つまり『育毛剤だけ』では髪の毛は増やすのは難しいです。しかし、髪の毛を増やす為には頭皮の状態が重要ですので、『育毛剤で髪の毛を増やす手助けをする』とお考え下さい。
【育毛剤の選び方】
育毛剤ってたくさんの種類があってどれを買っていいか迷いますよね。そういった時には『医薬部外品』の育毛剤を選んでみて下さい。
これは厚生労働省が『育毛に対して一定の効果がある』とお墨付きを与えたものです。
効果が期待できる有効成分
- グリチルリチン酸
- ジフェンヒドラミン
- 酢酸トコフェロール
- センブリエキス
- セラファンチン
などが含まれているはずです。
具体的にこれらの成分を含んだオススメの育毛剤をご紹介します。
① CHAP UP 120ml 8060円(記事掲載時点)
上記のうち3つの成分を含んでおり無添加無香料の製品です。永久返金保証が付いているのが特徴で、まず試してみたいという方にはオススメです。
② アデノバイタルスカルプエッセンスV 180ml 3200円(記事掲載時点)
資生堂さんから出している育毛剤で上記有効成分に加え保湿成分も入っています。パッケージも男女ともに使いやすい育毛剤で、大手メーカー製造の安心感と値段がお手頃なのも嬉しいポイントです。
1-3 サプリメント
サプリメントは日本語では『栄養補助食品』と呼ばれます。これを髪の毛に当てはめて考えると髪の毛の『栄養』を『補助』する『食品』という事になります。
あくまで『補助』であり『医薬品』ではなく『食品』になるのでサプリメントだけでは劇的に髪の毛を増やす、というのは難しいです。
しかしAGA治療などと組み合わせる事によって、その効果を高める事ができます。
具体的に髪の毛に効果的なサプリメントに含まれる成分ごとに見て参りましょう。
1-3-1 ノコギリヤシ
ノコギリヤシはハーブの一種で薄毛の原因である悪玉男性ホルモンをブロックできるのではないかと注目を集めています。
1-3-1 亜鉛
髪の毛の90%以上は「ケラチン」というタンパク質からできています。亜鉛はケラチンを合成するのに欠かせない栄養素です。
しかし亜鉛は体内で合成する事は出来ず食事やサプリで摂取する他ありません。食事でいうと、生ガキ、牛肉、パルメザンチーズなどです。
またスナック菓子、ファストフード、レトルト食品には亜鉛の吸収を邪魔する成分が入っていますので、食べ過ぎると亜鉛不足が更に加速してしまいます。
上記の様に現代人の偏った食生活は薄毛の原因になります。またサプリメントも有用ですが、なるべく食事で摂取できる様、心がけましょう。喫煙、過度の飲酒、運動不足も薄毛の原因となります。すぐに切り替えるのは難しいですが、飲酒であれば休肝日を設けるなど少しづつ変えていきましょう。
運動は有酸素運動がオススメです。有酸素運動では血行が改善され髪の毛に栄養が行き渡りやすくなります。またストレスも薄毛の原因になりますが適度な運動はストレス発散の効果もあります。散歩で少し出かけるだけでも違います。
1-3-2 イソフラボン
イソフラボンは大豆などに含まれる成分です。まだまだ研究段階ですが薄毛の原因である悪玉男性ホルモンをブロックすると言われています。
また唐辛子で有名なカプサイシンと一緒に摂取する事で頭皮の血の流れを良くし髪の毛を増やす効果が期待されています。
1-3-3 ビタミン
ビタミンB2やB6には髪の毛を作り出す毛母細胞を活発にする作用があると言われています。
1-3-4 リコピン
リコピンはトマトに多く含まれる事で有名ですが、血の流れを改善し髪に栄養を行き渡らせる効果や紫外線のダメージに有効である事が言われており紫外線による季節性の『抜け毛』に効果が期待されています。
以上が代表的な『髪の毛に良い』サプリメントの成分になります。
サプリメントは通常の食生活では摂取しにくい、髪の毛に良い成分を補う事ができ便利ではありますが、薬ではありませんので、あくまでも『髪の毛を増やす補助的な役割』であることを理解しておきましょう。
※ 参考文献 Carilla et al ; J Steroid Biochem. 20(1): 521-523, 1984.
Goepel et al ; Prostate. 38(3): 208-215, 1999.
Ravenna et al; Prostate. 29(4): 219-230, 1996
Sultan et al ;J Steroid Biochem. 20(1): 515-519, 1984
Delos et al J Steroid Biochem Mol Biol. 55(3-4): 375-383, 1995.
1-4 髪の毛に良いシャンプーを使う
『髪の毛に良いシャンプー』と聞いて真っ先に思い浮かぶのは『育毛・スカルプシャンプー』ではないでしょうか。
育毛剤の項目でもご説明しましたが、理解して頂きたいのは『育毛』であって『発毛』ではないということです。
『育毛』:髪の毛を育てることを意味し、頭皮に栄養を与えて髪にハリやツヤ、コシを生み出すること
『発毛』:薄毛で髪の毛が抜けてしまった場所に再び髪の毛を生やすこと
つまり『育毛・スカルプシャンプー』では髪の毛は増やすのは難しいです。
しかし、髪の毛を増やす為には頭皮の状態が重要ですので、『育毛シャンプーで髪の毛を増やす手助けをする』とお考え下さい。
【髪の毛に良いシャンプーの選び方】
『育毛・スカルプシャンプー』はアミノ酸系のシャンプーに各社が独自の成分を配合したものです。
髪の毛に良いシャンプーはこのアミノ酸系のシャンプーになります。主成分にラウロイルグルタミン酸Na、ラウロイルメチルアラニンNa、ココイルグルタミン酸Naなどが含まれています。
他のシャンプーに比べ洗浄力がマイルドですので適切に不要な皮脂を洗い流してくれ、バリアとなり紫外線などから頭皮を守ってくれる皮脂は残してくれます。
値段が高いのがネックですが、これが薄毛の方にオススメのシャンプーになります。
以下にオススメのアミノ酸系シャンプーを3つご紹介いたしますので参考にされて下さい。
- Pure NATURAL(ピュアナチュラル) シャンプー 500ml ¥ 906(記事掲載時)
このシャンプーはアミノ酸系の成分が2種類配合されており、合成香料が含まれていないので、男性が使っても自然な香りです。お値段も手頃なのでアミノ酸シャンプー入門にはちょうど良いかと思います。しっとりタイプとサラサラタイプの2種類があります。
- BOTANIST ボタニカルシャンプー 490ml ¥ 1512(記事掲載時)
有名なシャンプーですのでパッケージはご覧になったことがあるかもしれません。このシャンプーはアミノ酸系の成分が4種類配合され、天然成分90%以上で作られています。値段も少し高いのでアミノ酸シャンプー中級者向けです。保湿力も優れていますが、すすぎ残しがあると保湿の成分であるグリセリンが頭皮に残り頭皮環境の悪化を招く為、3分程度のすすぎが必要です。
- tee-treeの森 アロマのやさしさ 500ml ¥ 2800(記事掲載時)
このシャンプーはアミノ酸系の成分が3種類配合されており、その他の成分もマイルドな洗浄成分で構成されているので赤ちゃんも一緒に使って頂いて問題ありません。
香料など含め全て無添加で作られており自然派思考の方向けのシャンプーです。
ケトコナゾールシャンプーは悪玉男性ホルモンを抑え増毛効果が期待できるシャンプーです。AGAクリニックで処方してもらう必要がありますが医学的根拠も存在しますので気になる方は試してみて下さい。
なお、このシャンプーは週1〜2回の使用で毎日使うものではありません。ぜひアミノ酸のシャンプーと組み合わせて頭皮の状況を改善しましょう。
※ 参考文献 Piérard-Franchimont C et al; Dermatology. 1998;196(4):474-7.
1-5 自毛植毛
植毛は自分の残った髪の毛を薄くなった部分に植える方法です。かなり薄毛が進行されている方でも後頭部は残っていますよね?
最近はロボットを使って、メスを使わないで植毛するなど技術も向上しています。しかし料金、痛み、余計にハゲてしまうのでは? など心配はつきません。
その辺りも含めて植毛のメリット・デメリットを見ていきましょう!
1-5-1 自毛植毛のメリット
メリット①:植毛した部分はハゲにくい
植毛した髪の毛は、AGAになりにくい後頭部から採取している為に定着すれば、植毛した部分が薄毛になる可能性は低いです。
メリット②:自分の髪の毛なので拒絶反応がない
人工植毛と違い、自分の髪の毛なので拒絶反応が出ることはありません。
メリット③:痛みは軽度
麻酔の注射はチクっとしますが、手術中は麻酔をしていますので痛みを感じる事はありません。手術後の痛みも痛み止めで十分対応可能です。
1-5-2 自毛植毛のデメリット
デメリット①:高額
クリニックや範囲にもよりますが費用は約50〜数百万円とやはりかなり高額です。
デメリット②:手術が長い
手術は
STEP① 後頭部から髪の毛を採取
STEP② 採取した髪の毛を細かく分け、植えられる状態にする
STEP③ 植毛する場所に細かい穴を開けていく
STEP④ 開けた穴に植毛する
と5〜8時間程度必要です。
またその間じっとしておかなくてはいけません。
デメリット③:医師の技術力でかなり差が出る
どんな手術も一緒ですが、植毛も医師の腕で結果にかなり差が出てしまいます。腕の無い医師が行うと植毛した髪の毛の定着率は低く、髪の毛の密度にバラツキが生じ、生えてくる髪の毛の向きがバラバラということがあり得ます。
デメリット④:薄毛自体が改善したわけではない、再手術が必要になることも
植毛をしても薄毛の進行が止まるわけではありません。植毛した部分は良いですがその周りの部分は薄毛が進行してくればハゲてきますし植毛した部分だけに毛が生えているととても不自然です。ですので、その場合は薄毛の進行で再度ハゲた部分に再手術が必要になります。
しかし後頭部の髪の毛も限られていますので、何回も再手術できるわけではありません。
デメリット⑤:後頭部に傷ができる、刈り上げないといけない
後頭部の髪の毛を取って植毛しますので後頭部に傷ができますし、手術の際はその周りを手術で邪魔にならない様に刈り上げる必要があります。
薄毛の方にとって、髪の毛を刈り上げる、というのは必要だと分かっていても、とても抵抗があることです。
なお、最新技術ではメスを使わない触毛術も存在する為、大きな傷ができるリスクは低くなりつつあります。
2. あなたの抜け毛・薄毛進行レベルと最適な改善方法をお教えします
抜け毛・薄毛の進行レベルはアメリカのハミルトン先生が作った分類で3つのレベルに分けられ、それぞれオススメする『髪の毛を増やす方法』が違います。ご自身のレベルを見極めて自分に最適の方法を見つけてくださいね!
抜け毛・薄毛レベル1:生え際が薄くなってきた
まずはレベル1です。
レベル1はイラストの様に
『M字は無い』
『頭頂部も大丈夫』
だけど『生え際が薄くなってきた、後退してきた』という方です。
この時期抜け毛は『気にならない方』〜『少し増えてきたと感じる方』まで様々です。
これは抜け毛はある程度まとまった量にならないと実感しない為です。
実はこのレベル1、30代の男性であれば多くの方が該当します。実感はなくてもマイクロスコープで見ればはっきりわかります。
レベル1は抜け毛・薄毛の初期段階ですので、治療の基本であるAGA治療が最も良く効きます。ですので、オススメの改善方法は
『AGA治療のお薬1〜2種類+育毛剤+髪の毛に良いシャンプー』です。
抜け毛・薄毛進行レベル2:抜け毛が増え頭頂部もしくはM字が薄くなってきた
次はレベル2です。
レベル2には
- 生え際(前頭部)がM字に薄い方
- 頭頂部が薄い方
- その両方
という方です。
レベル2になるとある程度まとまった量の抜け毛で、『抜け毛が増えてきた』と実感される方が多いです。
すでに抜け毛・薄毛がある程度進行している状態なので、基本であるAGA治療薬のお薬の増量に加えスプレー、サプリメントなども必要になります。
オススメの改善方法は
『AGA治療のお薬2種類+AGA治療のスプレー+サプリ+育毛剤+髪の毛に良いシャンプー』です。
抜け毛・薄毛進行レベル3 抜け毛は減ったけど、毛がない部分が存在する
レベル3は
- 生え際(前頭部)と頭頂部が薄くなり、薄い部分が繋がってしまいそうな方
- 繋がってしまった方
- 毛がない部分が存在する方
です。
またレベル3では全体の髪の毛の量自体が少なくなる為、抜け毛の量は減ります。
全体的にかなり抜け毛・薄毛が進行している状態です。毛が生えなくなって長い時間が経ってしまった毛根は、細胞自体が死んでしまっているのでAGA治療薬だけでは再生が難しいと言われています。
この場合は『植毛』を導入していく必要がありますが、オススメの植毛法である『自毛植毛』では
残っている髪の毛<薄毛の場所
だと、髪の毛が足りません。
レベル3で『植毛』をお考えの方は早めに検討して頂く必要が有ります。
薄毛進行レベル3でオススメの改善方法は
『AGA治療のお薬2種類+AGA治療のスプレー+サプリ+育毛剤+髪の毛に良いシャンプー』+『植毛』です。
3. 早めの治療開始が安価で薄毛改善の可能性を広げる
ご覧の様に薄毛治療は、『早めの治療』が『安価』で『お手軽』に『効果的』です。進行してしまうと自毛植毛など高価でリスクの高い治療が必要になります。
薄毛は痛みなどの症状が無いため知らないうちに始まり、進行します。『自分は大丈夫』と思わずに、少しでも気になったら専門医に気軽に相談して見ましょう。
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