もっとペニスが大きかったら…そんなオトコのコンプレックスをくすぐるサプリ広告は男性向け雑誌の定番です。
しかし、このようなサプリは効果が無いばかりか副作用が存在します。
本記事では日本泌尿器科学会認定の専門医の立場から、ペニス増大サプリについて副作用を中心に解説します。また安全で効果的にペニスを増大させる方法に関しても医学的根拠に基づいてわかりやすく解説させて頂きますのでペニスを大きくしたいと考えてらっしゃる方は是非参考にして下さい!
目次
1. ペニス増大サプリの副作用は存在する
残念ながらペニス増大サプリに副作用は存在します。
日本人はサプリと聞くと『薬と違って安全』、『副作用もないだろう』と考える方が多いですが、これは大きな誤りです。サプリを含む健康食品は法律上、成分や品質に、規制も基準も無いのです。
また次項で記載している様な含有成分による副作用に加え、中には無承認、無許可の医薬品成分が含まれた製品による健康被害も存在します。
では具体的に見ていきましょう。
2. ペニス増大サプリで考えられる代表的な副作用まとめ
ペニス増大サプリには様々な商品がありますが、その多くはシトルリン、アルギニン、亜鉛を主成分に持つものですので、それぞれの成分に対する副作用をご説明させて頂きます。皆様も検討中、もしくは購入済みのサプリがありましたら成分を見て頂き参考にして下さい。
下図が副作用をまとめた一覧表です。
2-1 アルギニン・シトルリンが含まれているサプリの副作用
アルギニンやシトルリンは精子数の増加や勃起不全(ED)の改善に効果あり
アルギニンはアミノ酸の一種で、男性器の分野で精子数の増加や勃起不全(ED)の改善に効果が期待されています。シトルリンも同じくアミノ酸の一種で摂取する事でアルギニンに変換され血液中のアルギニンが1.6倍に増加することが分かっています。結果的にシトルリン、アルギニンはどちらを摂取しても効果、副作用は一緒ですが、上記の理由からアルギニンよりシトルリンを摂取する方が効果的と言われています。
※参考文献 落合ら:協和発酵ヘルスケア商品開発センター. 2007
ペニス増大サプリの副作用①:腹痛、お腹の張り、下痢、痛風
副作用として腹痛、お腹の張り、下痢、痛風があります。摂取された方の中で腹痛お腹の張り、下痢が約7%、痛風を約15%の方で認めます。
※参考文献 Brittenden J, et al : Surgery. 1994 Feb;115(2):205-12
Rector TS, et al : Circulation. 1996 Jun 15;93(12):2135-41
ペニス増大サプリの副作用②:気道の炎症、喘息の悪化
食べ物、お薬に関わらず体と合わずアレルギーが出現する事は珍しくありません。摂取した事で気道(喉にある空気の通り道)の炎症を起こし喘息をお持ちの方が悪化してしまうので注意が必要です。
※参考文献 Takano H, et al : J Pharmacol Exp Ther. 1998 Aug;286(2):767-71
Sapienza MA, et al : Thorax. 1998 Mar;53(3):172-5
2-2 亜鉛が含まれているサプリの副作用
ペニス増大サプリの副作用③:貧血や歩行障害
亜鉛は体にとって大切なミネラルの1つであり不足すると精子の減少、無月経、味覚障害などを引き起こします。その為サプリメントで補っている方も多いです。しかしこの亜鉛サプリ、過剰に、もしくは長期間、摂取してしまうと体にとって必要な銅や鉄分の吸収を妨げ、貧血や歩行障害を引き起こす可能性があります。
亜鉛サプリの摂取する場合でも1日45ミリグラム以下にすること、長期間服用する場合は血中の銅の濃度も確認することをお勧めします。
※参考文献 Duncan A, et al : J Clin Pathol. 2015 Sep;68(9):723-5
ペニス増大サプリの副作用④: アルツハイマー病、前立腺肥大、前立腺癌
アルツハイマー病に亜鉛の体内への蓄積が関わっている事や長期間、亜鉛を摂取していると、おしっこが出にくかったり、残尿感といった症状が出現する前立腺肥大症になるリスクが高まる事が分かっていますし100 mgの亜鉛サプリを10年以上摂取した場合、前立腺がんのリスクが2倍になる事も分かっています。
※参考文献 Natural Medicines(日本生薬学会)
ペニス増大サプリの副作用⑤:HIV患者さんの死を早めてしまう
HIV感染患者さんは亜鉛を高濃度摂取すると生存期間が短縮するという科学的データで示されていますので注意が必要です。
3. そもそもペニスはサプリで大きくならない
残念ながら、そもそもペニスはサプリで大きくなることはありません。ペニス増大サプリを摂取してペニスが大きくなったというデータは世界中どこを探してもありません。
3-1 ペニス増大サプリで効果を宣伝しているものは法律違反!
そもそもデータがないので大きくなるとは宣伝できませんし、ペニス増大サプリはあくまでも法律上、『食品』であって『薬』ではありませんので効果を宣伝してはいけない決まりになっています。もし『この薬を飲めばペニスが大きくなる』などと書いてある広告があれば薬事法違反なのです。
3-2 ペニス増大サプリの販売サイトでは消費者の錯覚を狙っている
ペニス増大サプリのホームページをもう一回よく見て下さい。
『Bigな男になって自信を取り戻せ』、『自信がグングン』、『さらなる高みを目指して』などと書いてありますがペニスが大きくなるとは一言も書いていません。
しかし『ペニス 増大』などと検索すると出てくるサプリ紹介サイトのタイトルにははっきりと『最強のペニス増大サプリ』などと書いています。
こういった紹介サイトを経由して販売サイトに行き着くので上記の様な言葉でもペニスが大きくなると錯覚してしまうのです。
3-3 この様な手法を取り締まる行政側も対策を検討中
直接販売サイトで書くとすぐに取り締まりに遭う為に、紹介サイトを経由させ取り締まりを逃れているのです。この記事を書くにあたって日本広告審査機構に直接連絡させて頂き、取り締まる手段は無いのか問い合わせをしました。この様な手法は美容グッズなどでも認められ、かなり件数が多い為に取り締まる行政側が追いついていない状況で対策を検討中とのことでした。
4. ペニス増大サプリはペニスを大きくする効果は無いもののED、男性更年期障害には一定の効果を認める
4-1 シトルリン、アルギニンを含むペニス増大サプリの勃起不全(ED)改善への効果
軽度のED患者が1日1500㎎のシトルリンを1カ月飲んだところ、勃起機能が改善し、アルギニンにおいても同様の結果が得られました。
しかし勃起不全(ED)に関してはバイアグラ、シアリスなどの科学的根拠のしっかりしたお薬があるのでまずはこちらを検討すべきです。
※参考文献 Chen J, et al : BJU Int. 1999 Feb;83(3):269-73
Stanislavov R, et al : J Sex Marital Ther. 2003 May-Jun;29(3):207-13
4-2 亜鉛サプリを含むペニス増大サプリの男性更年期障害への効果
『男性更年期障害』、女性の更年期障害の男性版で近年、広く知られる様になってきました。加齢やストレスで男性ホルモンであるテストステロンの分泌が減り、意欲の低下、制欲の減少、不眠、生活習慣病のリスクも増えると言われています。
『最近丸くなったね』と言われたら男性更年期障害かもしれません。
国内の男性更年期障害の患者数は600万人とも言われています。
その男性更年期障害の引き金になるのがテストステロンの分泌低下ですが、亜鉛をとる事で、血液中のテストステロンが増えることが確認されています。順天堂大学泌尿器科の堀江教授らは亜鉛を多く含む肉をよく食べる男性の精液を調べたところ精液中の亜鉛濃度が高く、精子の数も多かったと報告しています。
男性更年期障害には注射によるテストステロン補充療法が一般的ですが、亜鉛摂取でも多少の効果が期待できるのかも知れません。
5. ペニスを大きくするには手術しかない
ここまでお読み頂いて、サプリでペニスを大きくするのは難しいということはお分かり頂けたのではないでしょうか。では実際にペニスを大きくするにはどうしたら良いのでしょうか。
5-1 ペニスの大きさを決めているのは2つの陰茎海綿体
その為にはペニスの大きさはどうやって決まっているのか知る必要があります。下のイラストのペニスの断面図の様にペニスは3つの海綿体で構成されていてペニスのサイズはその大部分を占める陰茎海綿体の大きさによって決まります。
5-2 ペニスの大きさには2つの制限が存在
陰茎海綿体は血管の集まりですので、その大きさは血液がどれだけ流れ込み、どれだけ膨らむかで決まります。つまりペニスの大きさ=陰茎海綿体の大きさ=陰茎海綿体の膨らみなのです。そしてこの陰茎海綿体の膨らみには2つの制限があります。
5-3 これらの制限を解除するには手術が必要
これらの2つの制限(海綿体同士のぶつかり、センサー)を解除しペニスを大きくするには、『手術』しかありません。『手術』と言われると怖いかもしれませんが、日帰りでできる程度の手術でリスクも低く、満足度の高い治療です。
なお詳しい手術法に関しては別記事にまとめていますのでぜひ参考にされて下さい。
実際にサプリや、ペニス増大器具(これもペニスが大きくなる様な医学的根拠は有りません)で効果が出ずに手術を受けられる方も多く『もっと早く手術すればよかった』、『サプリや器具も安くないし勿体無かった』という声も少なくありません。
6. ペニスの増大は泌尿器科専門医の男性器クリニックへ
残念ながらサプリではペニスは大きくならず、実際に大きくするには手術しかありません。またペニスを安全に増大できるのは上記で紹介した手術のみです。
しかし、ペニスの増大手術は自由診療である為にリスクの高い手術が横行し、訴訟問題に発展するケースも多くみられます。
福岡のカズ博多クリニック(以下当院)ではその様な患者様(被害者)を増やさない様にもう1院の先生と生理的、解剖学的医学知識に基づいた長茎術・増大術を行なっています。当院では泌尿器科医、形成外科医として手術歴10年以上、男性器の施術数5000例以上の経験を持つ院長が手術を担当しています。また泌尿器科専門医による男性器クリニックは国内唯一です。
通常の泌尿器科とは違い、スタッフも全て男性ですのでお気軽にご相談下さい。
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