【泌尿器科医×薬剤師ママ】男の子のおちんちんの正しいケア(前編)

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泌尿器科医×薬剤師ママ対談01_男の子のおちんちんの正しいケア前編

平山 和秀

カズ博多クリニック院長 / 医師

熊本大学医学部卒業後、聖路加国際病院を経て京都大学泌尿器科に入局。
泌尿器科専門医・指導医、がん治療認定医、ロボット手術ダヴィンチ免許を取得し、泌尿器科診療を行う傍ら形成外科医として美容医療にも徒事。
『男性器治療をビジネスから医療に』をコンセプトにカズ博多クリニックを開院。悩みを抱える男性が最良の治療を受け、豊かな人生を謳歌できるよう、日本男性器学会を立ち上げ理事を兼任。

岡田 希望

広報 / 薬剤師

調剤薬局薬剤師を経験後、広告代理店にて広告制作に従事。
現在は『キレイにむけたね』広報を担当の他、SaaS企業で広報・マーケティングを支援。
男の子の母として、育児と仕事の両立に奮闘中。

「おちんちんの洗い方がわからない!」

男の子のおちんちん、正しく洗えている自信はありますか?
洗い方を教えてもらったことはありますか?

妊娠中、産院や自治体のパパママ教室に参加したものの、「男の子のおちんちんの洗い方」を習った記憶がない……
実際に息子とお風呂に入るようになって、初めてそのことに気付きました。

(そういえば、出産直後の沐浴指導でも、おちんちんの洗い方については特に説明されず、そのままスルーだったな……)

薬剤師ママが『キレイにむけたね』で正しい情報を発信します!

薬剤師だからといって、すべてのことに詳しいわけではありません。でも、体のしくみや健康については、一般のママより学ぶ機会が多かったはず。
それなのに、男の子のデリケートゾーンのケアについては、まったく知らなかったんです。

「私が知らないなら、ほかのママたちはもっと知らないのでは?」

そう思っていたとき、泌尿器科医の平山先生が『キレイにむけたね』プロジェクトを立ち上げ、メンバーを募集していることを知りました。
そして運よく参画することになり、今こうして情報発信をしています。

泌尿器科ドクターに正しいケア方法を聞きました

男の子のデリケートゾーンのケアは、親が正しい知識を持つことがとても大切。
でも「どこで学べばいいの?」「誰に相談すればいいの?」と、悩んでいる方も少なくありません。

そんな疑問に、泌尿器科医の平山先生がお答えします!

この対談記事は前編・後編の2回に分けてお届けします。
前編では、男の子のデリケートゾーンの基本的なケア方法について、
後編では、より詳しいスキンケアの方法や、将来の健康との関係について、平山先生が詳しく解説します。

男の子のおちんちんって、どうしたらいいの?

「洗えばいいの?」「自然に剥けるの?」
男の子のデリケートゾーンのケアについて、わからないことが多すぎる……

まずは、平山先生に男の子のおちんちんケアの基本を教えていただきます!

洗うだけで大丈夫?(そもそも洗い方がわかりません……)

男の子のおちんちんって、どんなケアが必要なんでしょうか?

平山先生:

「デリケートな部位なので、適切なケアが必要です。おちんちんは尿や汗、皮脂がたまりやすく、特に包皮に覆われているため、汚れが中に残ると炎症やかゆみの原因になることがあります。

毎日きちんと洗うことが大切なんですね?

平山先生:

「その通りです。基本的にはぬるま湯でやさしく洗い流すだけでも大丈夫です。ただし、皮脂汚れが気になる場合は、刺激の少ないせっけんを使って泡で包み込むようにやさしく洗うのがよいですね。」

『自然に剥ける』って本当?

「自然に剥けるから何もしなくていい」と聞きますが、本当でしょうか?

平山先生:

「これは半分正解で、半分間違いです。確かに、多くの男の子は成長とともに自然に剥けていきます。

でも、すべての男の子がそうとは限りませんし、汚れがたまることで炎症を起こすリスクもあります。なので、適切なケアは必要です。」

何もしないと、どんなリスクがあるんですか?

平山先生:

「包皮の内側に汚れがたまると、炎症を起こしやすくなります。また、包皮と亀頭がくっついたままの癒着(ゆちゃく)という状態が続くと、思春期になっても剥けず、コンプレックスにつながることもあります。

癒着自体は成長とともに自然に剥がれていくことが多いですが、炎症や傷が原因で強くくっついたままになることもあるんです。」

親が剥いてあげるべき?

じゃあ、親が剥いてあげた方がいいんでしょうか?

平山先生:

無理に剥くのはNGです! 強引に剥がそうとすると出血や炎症を起こすことがあり、逆に傷が治る過程でさらに癒着が強くなることもあります。

でも、何もしないと剥けない場合もあるんですよね?

平山先生:

「そうですね。でも、無理に剥くのではなく、毎日の入浴時にやさしく洗うことで、自然に少しずつ剥がれていくことが多いです。

親が気をつけるべきなのは、子どもが痛がったり、赤みやかゆみが出ていないかをチェックすること。何か気になる症状があれば、早めに専門医に相談するのがおすすめです。」

岡田:

「剥いてあげる必要はないんですね。そう聞くと、親としても安心できます。でも、どこまでケアすればいいのか、やっぱり具体的な洗い方が気になります。次は、そのあたりを詳しく教えてください!」

どうやって洗うのが正解?

「ちゃんと洗えているのかな?」「どこまで洗えばいいの?」
そんなママの疑問に、平山先生が答えてくれました。

正しい洗い方って? どこまで洗えばいいの?

おちんちんは、どのように洗うのが正しいのでしょうか?

平山先生:

「基本的には、ぬるま湯でやさしく洗い流すだけでも十分です。ただ、尿や汗、皮脂がたまりやすい部分なので、泡立てたせっけんを使い、やさしく洗うのが理想ですね。

しっかり洗った方が清潔になりそうですが……?

平山先生:

強くこするのはNGです! デリケートな部分なので、摩擦で肌を傷つけてしまうことがあります。泡を転がすようにやさしく洗い、最後にしっかりすすぐことが大切です。」

包皮は剥いて洗うべき?

包皮を剥いて洗った方がいいと聞いたことがありますが、本当ですか?

平山先生:

無理に剥いて洗うのは避けましょう。すでに少し剥けるようになっている場合は、痛みがない範囲で軽く動かしながら洗うのは問題ありません。

ただ、無理に剥くと傷がついて炎症を起こし、逆に癒着が強くなることもあります。」

剥かなくても、清潔に保つことはできるのでしょうか?

平山先生:

「はい、毎日のお風呂で外側をやさしく洗い流すだけでも十分です。むしろ、無理に剥いてしまうと傷がつき、痛みからおちんちんに触れるのを嫌がるようになることもあります。

『痛いから触りたくない』→『触らないから汚れがたまりやすくなる』という悪循環につながることがあるので、気をつけましょう。」

せっけんやボディソープは使って大丈夫?

せっけんやボディソープを使うと刺激が強いのでは? 湯洗いだけの方がいいですか?

平山先生:

「基本的には、低刺激のせっけんやボディソープを使うのが理想です。ぬるま湯だけでも汚れは落ちますが、皮脂や尿の成分がたまりやすいため、必要に応じてせっけんを使うのがおすすめですね。」

どんなせっけんを選べばいいですか?

平山先生:

できるだけ低刺激で、余計な添加物が少ないものを選びましょう。赤ちゃん用や敏感肌向けのボディソープ、泡で出るタイプが使いやすいですね。

また、しっかりすすぐことが大切なので、泡残りが少ないものを選ぶとよいでしょう。」

せっけんを使ったあとは、何かケアが必要ですか?

平山先生:

「せっけんを使ったあとは、肌が乾燥しやすくなることがあります。特に、赤みやかゆみが出やすいお子さまには、保湿ケアをプラスすると安心ですね。

岡田:

「『キレイに洗わなきゃ!』と思ってしまいがちですが、大事なのはやさしくケアすることなんですね。泡で包み込むように洗えば、それだけでじゅうぶん清潔にできると聞いて安心しました。」

ここまで、男の子のおちんちんケアの基本について平山先生に教えていただきました。

「無理に剥かない」「やさしく洗う」「低刺激のせっけんを使う」など、大切なポイントがありました。
でも、「スキンケアって必要?」「お風呂のあとに保湿するべき?」といった疑問も出てきたのではないでしょうか?

後編では、

  • デリケートゾーンにもスキンケアは必要?
  • ケア方法やアイテムの選び方
  • 正しくケアしないと起こり得るトラブル……

などを詳しく解説します!

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